処刑バッヂ
そして和馬の体を無造作に切断し始める。


「うっ……」


その光景を直視していたあたしは口元を押さえて、うずくまった。


強烈な吐き気。


喉のすぐそこまでやってきている異物を吐き出さないよう、必死に唾を飲み下す。


「行こう」


涼希が血の付いた手であたしの手を握りしめ、走り出した。


少し動いただけで胃がギリギリと締め上げられる中、あたしたちは体育館から逃げ出したのだった。
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