処刑バッヂ
あたしたちはスマホの明かりや持ってきていたライトで周囲を照らしながら、学校内にいるはずのトオルの姿を探し始めた。


「なんのヒントもなしに探せるのかなぁ」


階段を上がる途中に麻央がそう言ってきた。


「なにかヒントくらいは欲しいよな」


麻央の意見に賛同する和馬。


「大声で呼んでみるとか?」


「バカ、近所の人に気が付かれるだろ」


太一の意見に晴康が突っ込んでいる。


「とりあえずA組を見て見ようか」


そう言ったのは涼希だった。


トオルはあたしたちと同じA組の生徒だから、みんなの足も自然と3年A組へと向かっていた。
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