処刑バッヂ
「おーい、なにしてんだよ」


そんな声が聞こえてきて顔を向けると、晴康がスマホで教室の中央あたりの床を照らし出していた。


明かりの中にはうつ伏せで横たわっているトオルがいる。


「なんだ、あんなところにいたんだ」


「教室の真ん中で寝てるし」


あたしと梨央はそう言い、笑い声を上げた。


どおりで人の気配がしないと思った。


トオルはあたしたちを待っている間に眠ってしまったようだ。


「おい、起きろよトオル」


晴康がしゃがみ込んでトオルの体を揺さぶっている。


しかし、トオルは起きる気配がない。


「早く起きないとみんな帰っちゃうよ?」


あたしはそう声をかけながらトオルへと近づいた。
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