処刑バッヂ
涼希はあたしがいない事に気が付いて、慌てているかもしれない。


保健室に探しに行っているかも。


そんな考えがモヤモヤと頭の中を渦巻き始める。


あたしはすぐに頭を振り、その考えをかき消した。


1人になってしまった今、あたしを守ってくれる人はいないのだ。


悠長なことを考えている場合ではない。


そう思い女子トイレの前を通りかかった時だった。


急にアラーム音が響き始め、あたしはビクリと体を震わせた。


考えている暇はない。


咄嗟に女子トイレに入り、個室に鍵をかけてバッヂを手の中で押さえつけていた。


心臓がドクドクと早くなり、呼吸が乱れて来る。
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