処刑バッヂ
「うぅあ……あぁ……」


口を開けば意味のわからない単語しか出てこない。


「麻央! お願いだからしっかりしてよ!」


もう、麻央に聞くしか道はないんだ。


あたしたちの共通点から1人外れている麻央が、なにか知っているとしか考えられないんだから。


「あぁ……わか……な?」


その言葉にハッとして真央を見つめた。


麻央は瞬きをしてあたしを見つめている。


その目は少しだけ光が戻ってきているように感じられた。


「麻央。そうだよ、若菜だよ!」


「若菜……あれ、なんで、あたし……」
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