処刑バッヂ
キョロキョロと周囲を見回して首をかしげる麻央。


状況を説明している暇はなかった。


「麻央、聞きたい事があるの」


「え?」


「中学生の頃、塾へ行ってたよね?」


「え……うん。行ってた」


麻央は唖然としたままあたしの質問に頷いた。


「その時のクリスマスって、なにかあった?」


「クリスマス……?」


麻央は瞬きをしてあたしを見つめる。


「なんでもいいの! なんでもいいから、思い出して欲しい!」


「中学の頃のクリスマスって、確かパーティーしようって言ってて……でもできなかった」


麻央の言葉にあたしは頷いた。
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