処刑バッヂ
「麻央もそのパーティーに誘われてた?」


「うん。塾は違ったけど、行き帰りは一緒だったから仲良くなったんだよね」


麻央の言葉に記憶がよみがえる。


中学3年生のときのクリスマス、あたしたちはトオルを中心としてパーティーを計画していた。


その時の光景が、まるで昨日の出来事のようによみがえってくる。


その中で、1人だけみたことのない少女が混ざっていることに気が付いた。


「あの子は誰……?」


あたしは記憶の中の少女へ問いかける。


しかし、もちろん返事はない。


「真奈だよね」


目の前の麻央がそう言った。
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