処刑バッヂ
「何人かは校舎内で待っててくれ。誰かが出入りしたらすぐにわかるように」


晴康の言葉に、あたしと梨央が立ち止まった。


誰かが出入りするって、誰だろう?


そう考えて背筋がスッと寒くなるのを感じた。


トオルはどうして倒れていたのか。


あたしたちを待っている間に一体なにが起こったのか。


そこに第三者の存在があったのか。


グルグルと頭の中に疑問が駆け巡る。


「心配するな」


涼希に肩を叩かれて、あたしはハッと我に返った。


「女子たちは外に避難した方がいい」


涼希の提案に、女子たちの間にホッとした空気が流れた。
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