処刑バッヂ
小さな声で謝った後は、2人して無言で図書室へと向かった。


渡り廊下を渡って別館へと移動してくると、そこだけ雰囲気が変化する。


図書室や音楽室などが1階ずつにあるが、日ごろから生徒の出入りも少ない。


雰囲気が変化した事で緊張も高鳴り、自分の呼吸が短くなるのを感じた。


「無理そうなら、どこかで隠れてるか?」


そんなあたしの変化にすぐに気が付いて涼希がそう声をかけて来た。


あたしは左右に首をふり「大丈夫だから」と、答える。


ここまできて1人だけ隠れているなんて嫌だった。


やっと真奈ちゃんの事を思い出せたのだから、何が起こったのかちゃんとこの目で確認したい。


無事に図書室までたどり着いた時、あたしはようやく深呼吸ができた。
< 197 / 229 >

この作品をシェア

pagetop