処刑バッヂ
☆☆☆

薄明りの中本を読み進めて行くという作業は、なかなか大変なものだった。


スマホの明かりもライトも明かりも明るいけれど、アラームが鳴る度に消さなければいけない。


幸いなことに別館には誰もいないようで、アラーム音がしても足音が聞こえて来ることはなかった。


もしここで誰かが図書室へ入ってくれば、あたしたちに逃げ道はない。


緊張から本のページをめくる指先が汗ばんでいる。


もう少し早く読むことができればいいのに……。


焦れば焦るほど、文章の内容が頭に入ってこなくなる。


そんな自分にイライラし始めた時、涼希が新聞を一束持って近づいて来た。


「なにかあった?」


そう聞くと、涼希は新聞を机に広げて「これを見てくれ」と、記事をライトで照らし出した。

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