処刑バッヂ
そんなに長い間この計画を練っていたなんて、想像するだけで体の芯から冷えて行く気がした。


2人分の呼吸音しか聞こえなくなった時、またメッセージが届いた。


あたしと涼希は目を見交わし、それぞれのスマホを確認した。


トオルからだ。


メッセージには動画が添付され、それは体育館内の様子を撮影したものだと、すぐにわかった。


体育館の床は血の海で、目をそらしたくなる惨状だ。


「嫌なら見なくていいぞ」


涼希の言葉にあたしは左右に首を振った。


体育館が今どんな状態なのか、確認しておきたかった。
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