処刑バッヂ
「梨央……」


画面へ向けて小さく名前を呼んだ。


しかし、その声が届くことはない。


いつも一緒にいた梨央。


一番仲が良かった梨央。


不意に、右足首が痛んだ。


あたしの足を踏みつけ、笑顔を浮かべていた梨央……。


「捕まったんだな……」


涼希が苦し気な声でそう言い、あたしは頷いた。


もしかしたら、涼希も梨央の気持ちに気が付いていたのかもしれない。
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