処刑バッヂ
「もうすぐだ」


涼希がそう言うので視線を前へ向けると、体育館のドアが見えていた。


ドアは相変わらず開け放たれていて、オレンジ色の光が漏れ出している。


自然と歩調が速くなり、涼希が心配そうな顔をこちらへ向けた。


「大丈夫だから」


あたしはそう言い、足を進める。


もうそれしかない。


体育館内で捕まってしまったとしても、何もしないよりはマシだ。


2人で同時に体育館のドアに手をかけた。


その時だった。
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