処刑バッヂ
けたたましいアラーム音が鳴りはじめたのだ。


あたしと涼希は同時に自分のアラームを手の中でキツク握りしめていた。


「クソッ! こんな時に……」


涼希の額にはいくつもの汗の玉が浮かんできている。


真冬とは思えない。


アラーム音は今までよりも更に長くなっているようで、なかなか鳴りやまない。


しかし、体育館の中から誰かが出て来る気配はなかった。


「涼希! 一旦体育館へ入ろう!」


あたしがそう声をかけた時、足音が近づいて来ているのが聞こえて来た。


1人じゃない。


きっと3人全員がこちらへ向かってきている。
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