処刑バッヂ
すると微かな笑い声が聞こえてきて、あたしと涼希は声のしたステージ横へと視線を向けた。


その笑い声は徐々に大きくなり、女の声と男の声が入り乱れているのがわかった。


「男の声……?」


あたしは涼希の腕を握りしめた。


今学校内にいる男は涼希と晴康の2人だけのはずだ。


晴康は体育館の外にいる。


それなら、一体誰の声……?


心臓が張り裂けてしまいそうなほど早く打っている。


笑い声は徐々に近づいて来ていて、ステージ横のカーテンから人影が現れた。


あたしはそれを凝視するしかできない。
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