処刑バッヂ
「どうしてあの時、あたしを廃病院に置き去りにしたの?」


真奈ちゃんの質問に、心臓がドクンッと跳ねた。


「あの時のことを怨んでるのか?」


涼希がそう聞くと、真奈ちゃんが大げさに肩をすくめて見せた。


「それは違うよ。おかげであたしは目覚める事ができたから」


「目覚める……?」


何の話だろうか。


首を傾げて真奈ちゃんを見つめる。


「あの時、廃病院の中にはこの人がいた」


そう言い、真奈ちゃんは先生を見つめた。


その視線はひどく熱っぽい。

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