処刑バッヂ
「あたしが呆然として立ってたら、先生が出て来たの。全身血まみれだったから、あの時は驚いた」


真奈ちゃんは過去の出来事を思い出し、クスクスと笑い声を上げた。


それはごく普通の記憶を辿っているのと、同じような雰囲気だった。


「丁度人を1人解体した所だったからね。また肝試しの連中が来たと思ってたけど、院内にまだ1人残ってたなんて驚いたよ」


先生も同じような口調でそう言った。


「先生ってば、最初はあたしのことを解体しようとしたんだよ」


真奈ちゃんはなんでもないようにそう言った。


「解体って……」


あたしは唖然として2人を見つめながら、そう言った。


さっきからこの2人の会話の意味が理解できずにいる。


「知らない？　人間が人間を食べる。そういう愛好家たちがいること」


真奈ちゃんはそう言い、モミの木に飾られている誰かの内臓を１つ手に取り、躊躇することなく口に運んだ。
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