処刑バッヂ
「なぁ、トオル。もう起きろって!」


文章を読んでいる途中、太一の怒鳴り声が聞こえてきてあたしは視線をそちらへ向けた。


晴康とツクシがトオルの体を揺さぶっている。


しかし、トオルはピクリとも動かない。


「おい、これ本当に演技なのか?」


和馬がそう呟き、トオルの首に手を当てて脈を確認している。


「演技でしょ? だってトオルからのメッセージが今届いたんだから」


ツクシが言う。


あたしはその様子を確認した後、梨央のスマホに視線を戻した。


【メリークリスマス!


今からクリスマスパーティーを始めるよ!


まずは自分たちの机の中にある箱を確認してみてね♪】
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