処刑バッヂ
顔文字をふんだんに使ったメッセージ。


「ねぇ……トオルのスマホはどこ……？」


梨央へスマホを返した後、あたしはそう呟いていた。


どうして自分がそんなことを呟いてしまったのか、自分でもよく理解できないままに。


「おい……これ本当に死んでるぞ！！」


あたしの呟きは和馬の叫び声によってかき消された。


ざわめきが起こり、メンバーたちがトオルに駆け寄って行く。


「冗談でしょ？　だったらさっきのラインはなに！？」


麻央の言葉にあたしはトオルの体に駆け寄った。


「トオルのスマホはどこ？」


「どこって……」


和馬がそう呟き、ハッとした表情をこちらへ向けた。


トオルは死んでいる。


メッセージはトオルのスマホを操り、別の人間が配信したに違いない。
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