処刑バッヂ
「もしかして、俺たちをここに呼び出したのも他の誰かかもしれないのか」


その可能性に気が付いたのは太一だった。


あたしは頷く。


トオルがもし殺害されたのだとしたら、そしてそれが、最初のメッセージを受け取る前だったとしたら。


トオルから送られて来た学校へ集合と言うメッセージ自体が偽物だということになる。


「誰だよこんなことしたのは!」


晴康が叫んでメンバーを睨み付けた。


誰もなにも言わなかった。


「このメンバーに犯人はいない」


静かな声でそう言ったのは涼希だった。


「俺たちはほぼ同時にここへ来て、一緒に教室へ入ったじゃないか」


「そうだよ。ずっと一緒に行動してたんだから、犯人がいるわけないじゃん」


梨央が震えながらも意見を言った。
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