処刑バッヂ
晴康が涼希へ向けて詰めよる。


「ちょっと晴康、いくらなんでもひどいよ!?」


「どけよお前は!」


そう言い、晴康はあたしの体を突き飛ばしたのだ。


油断していたあたしは勢いよく後方へ飛ばされ、机にぶつかって倒れ込んでしまった。


椅子と机がなぎ倒されて、大きな音が教室中に響き渡る。


「若菜!」


梨央がかけよってきて、手を差し伸べてくれた。


あたしはあちこちぶつけて痛む体をどうにか起こし、梨央の手を取って立ち上がった。


「なにすんだよ晴康!」


涼希が晴康の胸倉をつかんで怒鳴り散らす。


こんな時に喧嘩なんてしている場合じゃない。


「やめて2人とも! トオルからのメッセージが送られて来たとき、あたしと涼希は一緒にいた! だから涼希は犯人なんかじゃない!」


晴康を止めるため、あたしは大きな声でそう叫んだ。
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