処刑バッヂ
あたしはそっと手を伸ばし、それを引っ張り出してみた。


手のひらに乗るくらいの小さな箱だ。


見ると、涼希も同じ物を手に持っている。


あたしはゴクリと唾を飲みこんで涼希を見た。


「開ける……?」


恐る恐るそう聞くと、涼希は左右に首を振った。


「まずはみんなと合流しよう」


さすがに涼希も警戒している様子だ。


あたしたちは箱を持ち、廊下へと出た。


すると他のメンバーたちも同様に、自分のクラスから出て来たところだった。


「みんなの机の中にも入れられてた?」


そう聞くと、B組の梨央が頷き、箱を見せて来た。


全く同じものだ。
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