処刑バッヂ
「中身を見たやつは?」


涼希がそう声をかけると、ツクシと太一がやって来た。


「あたしの箱の中にはなにも入ってなかったよ」


ツクシはそう言い、箱の中を見せて来た。


確かに空っぽだ。


「俺にはこれが……」


太一の箱の中には十字架の形をしているバッヂが1つ、入れられている。


「当たりとハズレがあるのかな……?」


梨央が呟く。


「それ、あたしがハズレってこと!? ハズレたらどうなるの!?」


途端に混乱し始めるツクシ。


「ご、ごめんツクシ。そんなつもりで言ったんじゃないの!」


梨央が慌ててそう言うが、ツクシは箱を握りしめて震えている。
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