処刑バッヂ
数台の車が通っているのが、ライトの光でわかる。


「まず1台目が通る。次に2代目。少し感覚を開けて3台目……」


「なにが言いたいんだよ」


晴康は和馬の言おうとしていることが理解できないのか、苛立って来ている様子だ。


あたしは目をこらすようにして流れてくる車のライトをジッと見つめた。


「同じ感覚で、同じ台数が行き来してる……」


「そう! そうなんだ!」


あたしの言葉に和馬は大きく頷いた。


それはまるで、予め決められたような動きを繰り返しているだけなのだ。


嘘だ……。


ジワリと体に汗が流れて行くのを感じ、あたしは視線を民間の窓へと移した。


その民家は部屋の明かりがついたり消えたりしている。


トイレや廊下の明かりだろうか。
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