処刑バッヂ
大きく呼吸を繰り返していると、涙があふれて来た。


家に帰りたい。


すぐにでも帰りたい。


屋上から見える自分の家。


けれどあれは本物じゃない。


「どうしても俺たちにかくれんぼさせたいみたいだな」


晴康がそう呟く声が聞こえて来たのだった。
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