処刑バッヂ
「麻央たち、本当に追いかけて来たよね……」


あたしはトイレでの麻央の様子を思い出し、背筋がゾクリと寒くなった。


麻央はバッヂを持っていなかった。


それなのに嘘をついて、あたしをハメようとしたんだ。


アラームが鳴りはじめた時にまだトイレの個室にいたとしたら、あたしは間違いなく処刑されていただろう。


「なんで? あたしたち、友達だよね!?」


梨央の鳴き声が響き渡る。


「こっちはそう思ってても相手がどう感じてるかなんて、わからないだろ」


冷たい口調でそう言ったのは和馬だった。


確かにその通りだと思う。


けれどあたしたちはいつも一緒にいた仲間だ。


赤の他人とは違う。
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