処刑バッヂ
そう思った時だった。


ドアの向こうから人の話し声が聞こえてきて、あたしと涼希は身を縮めて黙りこんだ。


声の感じからして麻央とツクシみたいだ。


ついさっきまで一緒にいた仲間に怯えている自分。


2人の会話の内容までは聞こえてこないけれど、あたしたちを探しているということは雰囲気で伝わって来て、ジワリと目の奥が熱くなった。


やっぱり、相手はみんなやる気になっているんだ。


あたしたちを捕まえて、体育館の道具で処刑をするんだ。


そう考えると涙が滲んでくる。


と、そのときだった。


すでに15分が経過していたのか、アラームが鳴りはじめたのだ。
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