処刑バッヂ
それなら、動いて安全な場所を探し続けなきゃいけないということだ。


動くことにはリスクが伴う。


あたしは自分の心臓が早鐘を打ち始めるのを感じていた。


このゲームは逃げる側も、追いかける側もフェアになっているんだ。


簡単に捕まると面白くない、簡単に逃げ切っても面白くない。


計算しつくされているように感じられる。


「こういうのデスゲームっていうのかな」


ふと呟いた言葉に涼希がこちらへ顔を向けた。


「ほら、映画とかでよくあるじゃん。集められた人たちがデスゲームをして、それを見てるお客さんがいて――」


「そんなワケないだろ!」


涼希があたしの言葉を遮って怒鳴った。


その顔は青ざめているように見える。
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