処刑バッヂ
「あ……」


更に奥へと進もうとしたとき、涼希が小さく呟いて足を止めた。


「どうしたの?」


後ろからそう聞くと、シッと指を口元に当てて言われた。


一体どうしたんだろう?


涼希の横から調理室の奥へと視線を向ける。


そこには業務用の冷蔵庫が置かれているのだが、そのあたりから光が漏れてきているのがわかった。


電気は通っていないから、冷蔵庫の明かりではない。


これは誰かが持って来たライトかスマホの明かりだった。


そう気が付き、ゴクリと唾を飲みこんだ。


バッヂを持っている相手ならいいけれど、そうじゃない可能性だって十分にある。


涼希の後ろに隠れながらも、緊張でジットリと汗がにじんでくるのを感じた。
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