処刑バッヂ
「これからどうする? ずっとここに隠れてる?」


そう聞くと、涼希はライトで調理室の中を照らし出した。


包丁以外に使えるものがないか探しているようだ。


あたしは光の中にホワイトボードがあるのを見つけた。


調理手順や、材料の準備方法などが細かく書かれている。


「そうだ。ちょっと整理してみない?」


「整理?」


「うん。どうしてあたしたちが選ばれたのか、疑問じゃない?」


そう言うと涼希は首を傾げて「確かに、どうして俺たちなんだろうな」と、呟いた。


あたし達の接点は友人であること。


けど、それだけでこんな目に遭うなんて思えなかった。
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