ヴァーチャル・リアリティ
まだ恐々ではあるが人数分のゴーグルが用意されていることで、ここが招待された場所であることは間違いなさそうだ。


晴道が建物内へ入った時、女性の声が聞こえて来た。


『いらっしゃいませ。ここは最新ゲームセンターとなっております』


突然聞こえてきた声にドキッとするが、優し気なアナウンスに晴道が振り向いて笑ってみせた。


「大丈夫そうだぞ」


晴道に手招きされて、あたしたちはようやく建物内へと足を踏み入れた。


テーブルの上にゴーグルが置かれているだけで、他には何もない空間。


音声ガイダンスも、どこから流れてきているのかわからない。


空調はきいていて快適な空間になっている。


『扉が閉まります。後方にご注意ください』


そんなアナウンスに、一番後ろにいた梨花子が慌てて移動した。
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