ヴァーチャル・リアリティ
百花もゆっくりとその後ろをついてくる。


部屋の中はとても綺麗で、埃もない。


外とは違い、ちゃんと手入れされている様子だ。


それを確認していた時、不意に入って来たドアは閉まってしまった。


「え、開かないよ?」


百花がドアの前に立ってみても、なにも反応しない。


「嘘、出られなくなったってこと?」


慌てて百花の横に立つ。


ドアは反応しない。


それ所か、最初と同じように壁と一体化してしまっている。


「なにこの建物」


焦りと不安が浮かんできた時、どこからか女性の声が聞こえて来た。
< 184 / 220 >

この作品をシェア

pagetop