ヴァーチャル・リアリティ
「どうする? VRならやったことがあるし、やってみる?」


そう聞くと、百花が恐る恐るゴーグルを手に取った。


「どんなゲームなんだろう?」


「わからないよ。でも、説明はあるはずだから」


あたしはそう言い、もう片方のゴーグルを手にした。


確認してみても、別に変ったところはなさそうだ。


『まずはゴーグルを装着してください』


女性の声が言う。


あたしと百花は目配せをして、ゴーグルをつけた。


瞬間、こめかみにチクリとした痛みを感じた。


キュッと目を閉じ、次に目を開けた時にはすでに見知らぬ部屋が映し出されていた。


「これ、どこ?」


百花も同じなのか、混乱した声を出している。


「大丈夫だよ。説明を聞こう」


あたしは隣にいる百花の手を握りしめてそう言った。
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