ヴァーチャル・リアリティ
ふと横へ視線を向けると、女も同じように血まみれになって倒れ込んでいた。


百花の成果だった。


「もう……死んだと思うけど……」


百花が呼吸を荒くして答える。


「これでゲーム終了!?」


あたしはアナウンスの声へ向けてそう聞く。


しかし、返事はない。


何か指示が出されていないか画面上を探してみるけれど、なにも見当たらない。


この後どうすればいいんだろう……。


そう思っていた時だった。


不意に足首を掴まれて甲高い悲鳴をあげた。
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