ヴァーチャル・リアリティ
2000年はあたしたちが生まれた年だった。


今回も同じように、あたしたちが関係している数字がヒントになっていたのだ。


そうとわかると後は探して行くだけだった。


あたしは壁にかけてある鍵をかたっぱしから外し、裏面に2003と書かれているものがないか探して行く。


しかし、なかなか見つからない。


10分ほど経過したとき、今度は陽大が「たとえばテーブルの上の鍵とか!」と、声を上げたのだ。


あたしは手を止めて「え?」と、聞き返す。


「何言ってるの陽大。壁にあったでしょ?」


梨花子が困惑した声を出している。


「いや、壁にはなかった。だからテーブルの上を探したんだ」


陽大の声は真剣で、嘘をついているようには聞こえなかった。


あたしは振り返ってテーブルの上を確認する。
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