ヴァーチャル・リアリティ
陽大が晴道の後ろについて歩きながらそう聞いている。


ここがなんの建物かわからないだけに、その可能性も否定できない。


「俺は裏手に回って見るから、女子はここで待ってろよ」


残っていた悠太郎も、勇気を出してそう言い歩き出した。


残されたあたしたち3人は男子たちの様子を見守ることしかできない。


「どう見てもゲームセンターではないよねぇ……」


あたしは建物を見つめてそう呟いた。


これが最新ゲームセンターだとしても、きっと誰もこないだろう。


見た目からして魅力がないし、船で移動しなければならないのは面倒だ。


「外見判断はダメだよ」


そう言ったのはアユだった。


「入ってみたらすごいのかもしれないし?」
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