ゆるふわ子犬系男子の甘い罠
キョトンとしてた様子の奏だったけど、意味が咀嚼できた後に

「なんで?」
って返してきた。全然責めるとかそういうテンションじゃなくてほんとに不思議って感じに。


「なんでって、私たち会うどころか連絡も取らないじゃない。お互い冷めきってるし一緒にいる意味ないと思うんだけど。」

ヒステリックに聞こえないように、頑張って落ち着いて話す。


「僕たちって冷めきってるの?」

他人事みたいな質問ばかりしてきてイライラしてくる。

「そうだと思わないの?お互いに対して興味がなさすぎると思うんだけど。少なくとも今の状態を付き合ってるなんて言えないと思う。」


「いっぱい連絡すればいいってこと?」


「ううん、そうじゃなくって。恋人同士だったら今何してるのかなって自然と声が聞きたくなるもんじゃない?」


「そうなの?たまちゃんも?」


なんという気の抜けた会話なのだろうか、肝心の話がおざなりになってる。


「私は…正直別に毎日聞きたいとかは思わないけど…
でも、一般的に恋人って」


「僕も同じ考えなんだけど。無理までしなくてもって。」
< 10 / 24 >

この作品をシェア

pagetop