【完】キミスター♡
なんで、苦手かというと…これまたありきたりなことなんたけど…。
昔、いわゆる幼馴染というヤツがいたんだけど、そいつに執拗に悪戯やいじめを受けたから。

小学生の途中から、親の都合とかで転校して今はどうなってるのか知らない。
というか、当時の私からすればいなくなってくれて、ホッとしたし、心の底から喜んだ。


これでもう、傷付けられる心配はない。
そう思ったら、自然と安堵の涙が出たもんだ。

それなのに…。



「…海夏?」

「…は?」


なんでこの人は、私の名前を知ってるのか。
そして、なんで昔からの知り合いのように呼び捨てに…。


「って…!ああー?!眞人(まさと)!!?」


私はあり得ない程の大声を上げて、思い切り目の前に現れた男子を、指差した。

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