【完】キミスター♡
「ね、ほんと大丈夫?保健室行く?」

「う、ん…。ちょっと行って頭痛薬貰ってくる」

「駄目そうなら休ませてもらいなね?」

「うん」

茉莉花は、私の顔をまじまじと見て心配そうに眉をひそめた。
だから、素直にそれに頷いて、席を立つ。

その瞬間に少しだけふらりとしたけれど、気付かないふりをして、私は教室を出た。


ぐるぐると廻りそうな視界。
こめかみをもっときつく押さえて、保健室へと向かうと先生は不在だった。 

「あぁもうっ。ついてないなぁ…」

そう口にしてから、自分は一体何をしてるんだろうと思った。

恋をするって、こんなに寂しいものだった?
人を好きになるって、こんなに切ないものだった?

「…っ」

私は口唇を噛み締めて、誰もいない保健室の中顔を両手で覆った。

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