【完】キミスター♡
非日常の夢物語
ピーヒャラ、ドンドン
お祭りには欠かせない音が神社境内に鳴り渡る。
私は、心に決めたように待ち合わせの時間よりも30分早い時間に予定の場所に到着した。
でも、時既に遅し。
何気に、もう緋翠の姿はそこにあって、周りの女の子からチラチラと見られている。
「緋翠〜!ごめんね?お待たせ!」
「……海夏…」
「ん?もしかして、遅れたこと怒ってる?」
これでも、30分は早く来たのになぁ?と首を傾げると、少しだけ赤くなった緋翠が、ぼそっと呟いた。
「なんで、浴衣なの?似合い過ぎて…可愛いだけじゃ済まないんだけど…」
「…?!」
今度はその言葉に、私が赤くなる番だった。
今日の緋翠のコーデは、スキニーのジーパンに、黒のポロシャツ。
シンプルだけど、それでも緋翠の身長としっかりした顔立ちからすれば、モデル並に決まってて。
「緋翠だって、格好いいのに…」
そう口を尖らせたら、
「海夏の可愛さとは雲泥の差だけどね」
と笑われた。
そんな今だって、周りの子が緋翠に声を掛けるか掛けまいかとそわそわしてるというのに、本人自体はそんなことに関心はなく。
「じゃあ、どこから回ろっか?」
なんて、そっと私に手を出してきた。
私は、ヤキモチを焼く前に超ご機嫌になる。
こういう時の彼女の特権を、緋翠は無意識に差し出してくれるから…嬉しい。
きゅうっと掴んだ手。
少しだけ汗ばんでいて、恥ずかしかったけど…それでも嬉しさのほうが勝った。
お祭りには欠かせない音が神社境内に鳴り渡る。
私は、心に決めたように待ち合わせの時間よりも30分早い時間に予定の場所に到着した。
でも、時既に遅し。
何気に、もう緋翠の姿はそこにあって、周りの女の子からチラチラと見られている。
「緋翠〜!ごめんね?お待たせ!」
「……海夏…」
「ん?もしかして、遅れたこと怒ってる?」
これでも、30分は早く来たのになぁ?と首を傾げると、少しだけ赤くなった緋翠が、ぼそっと呟いた。
「なんで、浴衣なの?似合い過ぎて…可愛いだけじゃ済まないんだけど…」
「…?!」
今度はその言葉に、私が赤くなる番だった。
今日の緋翠のコーデは、スキニーのジーパンに、黒のポロシャツ。
シンプルだけど、それでも緋翠の身長としっかりした顔立ちからすれば、モデル並に決まってて。
「緋翠だって、格好いいのに…」
そう口を尖らせたら、
「海夏の可愛さとは雲泥の差だけどね」
と笑われた。
そんな今だって、周りの子が緋翠に声を掛けるか掛けまいかとそわそわしてるというのに、本人自体はそんなことに関心はなく。
「じゃあ、どこから回ろっか?」
なんて、そっと私に手を出してきた。
私は、ヤキモチを焼く前に超ご機嫌になる。
こういう時の彼女の特権を、緋翠は無意識に差し出してくれるから…嬉しい。
きゅうっと掴んだ手。
少しだけ汗ばんでいて、恥ずかしかったけど…それでも嬉しさのほうが勝った。