【完】キミスター♡
「ねぇ?緋翠?どうしちゃったの?」

そう聞いても、曖昧に笑うだけの緋翠。
そんな態度をされちゃうと、いくらポジティブ思考の私だって、不安になるって分かってる?


まぁ、こんなこと…困らせたくないから言わないけれど。


今年3年の緋翠とはまだ付き合って間もない。
だけど、どれだけ短い時間でも…緋翠を好きな気持ちに変わりはないし、全部ではないかもしれないけど、緋翠のことをよく理解してるのは自負してる。



だってあの、突然の土砂降りになってしまった放課後に…突然。


「世界で1番、海夏が可愛い。だから俺と付き合って?」

そう告白してきてくれたのは、他でもない緋翠から。
バレー部の先輩後輩というありきたりの関係を、壊したのは、紛れもない緋翠の方で、ずっと憧れていた私は即座にOKしたんだから…。



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