【完】キミスター♡
どうやら、私の掛かった風邪はただの夏風邪じゃなかったようで、他の生徒に感染さないようにと、5日間の休みを命じられた。

でも、熱なんて解熱剤を使えばすぐに下がってしまうものだし、元々抗体があって免疫力が強いのか、私の症状はすぐに良くなった。


そうすると、嫌でも緋翠との今後のことを考えてしまう。

好きだからって、なんでも許せるわけじゃないんだよ?

違う女の人の匂いのついた、貴方を愛せる自信が…今の私には…そんな余裕は1mmもないよ…。

「はぁっ…」

私はまだ熱っぽい溜息を吐くと、くしゃくしゃと髪を掻き回した。


どうしてこうなったんだろう?
何が悪かったんだろう?

私は、緋翠のなんなの?
…一番の理解者で、彼女じゃなかったの?


「もう分かんないよっ」


鳴り止まないスマホをオフにして、私は布団に潜り込み、涙をぐっと我慢する。


これ以上泣いてなんかやるもんか。

緋翠にも、真人にも、これ以上流されてやるもんか。

私はそう決めて、枕に顔を埋めた。

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