【完】キミスター♡
「楢崎くんに、海夏のこと聞いて、頭がどうにかなるかと思った。ほんとに海夏のこと分かってるのかって言われたんだ…本当の海夏のこと…」

「…真人が…?」

「あんな風に強がっているけど、本当は誰よりも弱いんだって…」


くしゃりと、翡翠が自分の髪を掻き乱す。
凄く辛そうな顔。
それを見て、私はやっぱりこの人が好きなんだと痛感する。


「オレの方が海夏を幸せに出来るって断言されて、カッとなった…殴りつけたいのを必死で堪えて…海夏の所に来たんだ…」

「翡翠…でも…翡翠、私と別れたいんじゃないの?」

「浮気…?」

「…だって、私見たんだもん…」


そこで、なんて自分は子供っぽいんだろうと口唇を噛んだ。

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