家族でも、幼なじみでもなくて。
「ただいま」

「おかえり、優衣。大切な話があるの」

「それって今じゃなきゃダメ? りっくんと太一くんと、図書館に行く約束したんだけど…」

「陸矢くんなら、もう少しで来るよ」


「大切な話」という割に、お母さんはすごく嬉しそうで、うきうきしているように見えた。


「りっくんも関係している話なの?」

「そうよ」

「……じゃあ、太一くんに行けないって伝えてくる」

「早く帰ってくるのよ」

「わかった」


家を出ると、りっくんとおじさんがいた。


「優衣ちゃん、太一に伝えに行くの?」

「うん」

「太一には僕が伝えたよ」

「そっか。ありがとう」


何かあったのかな?
りっくんはいつもより元気がなかった。

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