家族でも、幼なじみでもなくて。
おじさんが来てから、お母さんはもっと機嫌が良くなった。


「雅人さん、どうぞ」

「ありがとう」


すっごくラブラブで、2人とも幸せそう。


なんか大体わかってきた。

大切な話も、りっくんの元気がない理由も。


「優衣。前に、雅人さんと私は大学の先輩と後輩だって話をしたこと、覚えてる?」

「うん」

「お母さんね、雅人さんと結婚することにしたの」

「うん」

「だから、雅人さんは優衣のお父さんで、陸矢くんは優衣の弟になるのよ」

「……うん」


やっぱり。
私が何か言ったところで、どうにもならない。
だから、受け入れるしかないんだ。


「りっくんたちと一緒に暮らすの?」

「そうよ。実は、新しいお家はもう決まっているの」

「いつ引っ越すの?」

「来月」

「学校は?」

「そのまま通えるところだから大丈夫」

「そっか……」


いつから決まっていたんだろう?


「陸矢。優衣ちゃんと遊んできたらどうだ?」

「優衣ちゃん、行こう」

「……うん」


私とりっくんは逃げるように家を出た。

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