家族でも、幼なじみでもなくて。
「お母さん、漢字テストで100点とったよ!」

「優衣、すごい! 頑張ったね!」


お母さんに褒められた……!

久しぶりに見る お母さんの笑顔。
私のために笑ってくれてるんだ。


「おかえり、陸矢くん」

「りっくん…」

「陸矢くんはテストどうだったの?」

「100点じゃないよ」


そう言って広げたテストは、65点。


「次頑張ればいいのよ」


お母さんはりっくんの頭を優しく撫でた。


え? なんで?
100点だった私は……?

りっくんだけ、ずるい。


「おやつがあるから手を洗ってきなさい」

「はーい!」


嬉しそうに洗面所に向かう りっくんを、急いで追いかけた。
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