家族でも、幼なじみでもなくて。
「優衣ちゃんはすごいね!」

「すごくなんかないよ」

「太一と一緒に勉強したから、100点なんでしょ?」

「太一くんと勉強なんてしてない。学年違うから一緒にやっても意味ないもん」

「そっか。どうでもいいけど」


もう、我慢できない!

洗面所から出て行こうとする りっくんの服を強く掴んだ。


「りっくん! 私、何かした?」

「何も」

「じゃあ、どうしてちゃんと私と話してくれないの? どうして一緒に登下校してくれないの?」


りっくんの瞳が一瞬揺らいだ。


「ねぇ、どうしてなの!?」

「……優衣ちゃんのことが好きだから」

「え?」

「言ったでしょ? 僕は優衣ちゃんのこと、ずっと大好きだって」

「そ、そうだけど…」

「それだけのことだよ」


意味わかんない!

好きなら普通に接してよ……
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