家族でも、幼なじみでもなくて。
「おばさん、私そろそろ帰ります」

「太一のこと待ってなくていいの?」

「はい。お母さんとしっかり話してみます。太一くんにはありがとうって伝えてください」

「わかった。また何かあったらいつでもおいで」

「はい。お世話になりました。ありがとうございました!」


中学校のこと、お母さんに相談してみよう。

りっくんにバレないようにするためには今日がチャンス。


「……ただいま」

「優衣!! 突然いなくなったと思ったら、太一くんの家にお世話になるなんて!」

「ごめんなさい」

「あとでお礼に行くからね」

「うん」


お母さん怒ってるから、今は無理か……


明日になったらりっくんが帰ってきちゃう。
その前に言わないと!


その日の夜、勇気を出してお母さんに相談すると、少し考えてから「いいよ」と言ってくれた。

まさかこんな簡単にOKもらえるなんて思ってもみなかった。

合格しないと意味がないんだけどね。
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