家族でも、幼なじみでもなくて。
「優衣! こっち」


放課後、愛海と一緒にカフェに行くと、太一くんは先に座って待っていた。


「話ってなに?」

「優衣はどこまで知ってるのかわからないけど、俺が知ってることを全部話すね」

「あの、どうしてあたしも?」

「今、優衣を支えられるのは先輩だけですから……」


そう言って太一くんは力なく笑った。


「今から話すことは、陸矢から聞いたことなんだけど……」



なぜか太一くんの声は少しだけ震えていた。
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