家族でも、幼なじみでもなくて。
きみに会いたい
「……そして、別れの言葉もなく突然転校した」
私がりっくんを引きとめていれば、こんなことにはならなかったのかもしれない。
小さい頃みたいに、素直に「好きだよ」って言っていれば……
今更後悔したって、りっくんが戻ってくるわけじゃないんだ。
「太一くん、話してくれてありがとう」
「陸矢をとめられなくてごめん」
「太一くんが謝ることじゃないよ」
「でも…」
「そんなに自分を責めないで。いつも私とりっくんの悩みを聞いてくれて、1番苦しいのは太一くんだよね。本当にごめんなさい」
私はりっくんのことで悩んで、りっくんは私のことで悩んで、その話を聞かされる太一くんはどんな気持ちだったんだろう。
そんなこと、考えたこともなかった。
「あ、あのさ」
突然、愛海が口を開いた。
「あたしはみんなの事情をよく知らないから、なにも力になれないけど……あ、あたしだって話を聞くくらいはできるから。それで解決するわけじゃないけど、少しは楽になれるんじゃないかって…思います…」
「愛海…」
「先輩、ありがとうございます」
愛海は少し顔を赤くながら、隣に座る私の方を向いた。
「あたしだって優衣の親友なんだから! あたしにもいろいろ話してよね!! 話せることだけでいいけどさ!」
「ありがとう。それより、愛海…照れてる?」
「なんであたしが照れなきゃいけないの?」
「じゃあ、前向きなよ」
「わ、わかってる」
目の前に座る太一くんは、愛海にニコッと微笑んだ。
「太一くん」
「なに?」
「りっくんとは連絡ついたの?」
「それが、全然ダメなんだ」
「そっか」
私はりっくんの連絡先知らないからな……
「……あ、そろそろスイミングの時間だから、行かないと」
「ごめん、優衣。あたしもバイトなんだ」
「うん、わかった。2人ともありがとう」
2人と別れて家に帰ると、郵便受けの中に1通の手紙が入っていた。
差出人のところには「市川 陸矢」と書かれていた。
私がりっくんを引きとめていれば、こんなことにはならなかったのかもしれない。
小さい頃みたいに、素直に「好きだよ」って言っていれば……
今更後悔したって、りっくんが戻ってくるわけじゃないんだ。
「太一くん、話してくれてありがとう」
「陸矢をとめられなくてごめん」
「太一くんが謝ることじゃないよ」
「でも…」
「そんなに自分を責めないで。いつも私とりっくんの悩みを聞いてくれて、1番苦しいのは太一くんだよね。本当にごめんなさい」
私はりっくんのことで悩んで、りっくんは私のことで悩んで、その話を聞かされる太一くんはどんな気持ちだったんだろう。
そんなこと、考えたこともなかった。
「あ、あのさ」
突然、愛海が口を開いた。
「あたしはみんなの事情をよく知らないから、なにも力になれないけど……あ、あたしだって話を聞くくらいはできるから。それで解決するわけじゃないけど、少しは楽になれるんじゃないかって…思います…」
「愛海…」
「先輩、ありがとうございます」
愛海は少し顔を赤くながら、隣に座る私の方を向いた。
「あたしだって優衣の親友なんだから! あたしにもいろいろ話してよね!! 話せることだけでいいけどさ!」
「ありがとう。それより、愛海…照れてる?」
「なんであたしが照れなきゃいけないの?」
「じゃあ、前向きなよ」
「わ、わかってる」
目の前に座る太一くんは、愛海にニコッと微笑んだ。
「太一くん」
「なに?」
「りっくんとは連絡ついたの?」
「それが、全然ダメなんだ」
「そっか」
私はりっくんの連絡先知らないからな……
「……あ、そろそろスイミングの時間だから、行かないと」
「ごめん、優衣。あたしもバイトなんだ」
「うん、わかった。2人ともありがとう」
2人と別れて家に帰ると、郵便受けの中に1通の手紙が入っていた。
差出人のところには「市川 陸矢」と書かれていた。